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B型肝炎訴訟で一番大切なことは、予防接種が原因でB型肝炎に感染したという関係性を証明することです。これを難しい言葉でいうと、「因果関係」といいます。
他方、B型肝炎の原因としては、予防接種以外にも、「母子感染」という言葉もよく耳にします。
この記事では、予防接種が原因でB型肝炎に感染したという関係性をどのように証明していくのかということを説明します。また、その中で「母子感染」とは何かということについても説明します。
では、B型肝炎に感染してしまう経路にはどのようなものがあるのでしょうか。
ひとつ目は、小さい頃の集団予防接種です。日本では、古くから集団予防接種が行われてきましたが、その際、複数の幼児に対して1つの注射器を連続使用するということがなされてきました。この注射器の連続使用に問題があったにもかかわらず、国はこの実態を放置してきました。
この国の責任を問うのがB型肝炎訴訟です。
なお、幼少期に感染してしまうと身体に免疫力がないので、B型肝炎に感染した後、何十年も感染したままとなる、いわゆる無症候性キャリア(持続感染者)になるといわれています。
次に、一般的に可能性が高いといわれているのが母子感染です。
母子感染とは、妊娠中の母親がB型肝炎ウイルスを有する場合に、その子どもがB型肝炎に感染してしまうことをいいます。
人は生まれるとき、母親の産道を通って生まれてくるため、母親の血液に直接触れてしまいます。そのとき9割以上の確率でB型肝炎に感染するといわれています。
なお、母子感染の場合も、乳幼児は免疫力がないため、いわゆる無症候性キャリア(持続感染者)になるといわれています。
その他の感染原因としては、性交渉、ピアスの穴あけや入れ墨などで器具を適切に消毒せず繰り返し使用した場合や、麻薬などの注射をした場合の注射器の連続使用等もあり得ます。
B型肝炎訴訟において、自分が受けた予防接種を直接の原因としてB型肝炎に感染したということを証明していくためには、自分が母子感染で感染したのではないことを証明していく必要があります。
母子感染でB型肝炎に感染したのではないという証明は、どのようにしていけばいいのでしょうか。母親が生存している場合、亡くなっている場合のそれぞれのケースで説明します。
母子感染で感染したのではないことを証明するためには、まず母親の血液検査をすることが考えられます。
母親の血液検査の結果、母親がB型肝炎のキャリアではないということがわかれば、母親から感染することはないといえることから、母子感染ではないことが証明できます。
血液検査については、以下の両方の検査結果を得る必要があります。
母親の血液検査結果が残っていない場合は、例外的に、年長のきょうだいの血液検査をすることで、母親の血液検査の代わりにできるとされています。
年長のきょうだいが血液検査を行い、ひとりでもB型肝炎でないことがわかれば、母親がB型肝炎ではなかったというように扱ってもらえるということです。
もし母親がB型肝炎であった場合、前述の通り、9割以上の確率で母子感染がおこります。このことから、母親がB型肝炎のキャリアであった場合、年長のきょうだいもB型肝炎になっていたはずだと考えられるのです。
つまり、年長のきょうだいがB型肝炎に感染していないことが血液検査でわかれば、母親はB型肝炎ではなかったものとして扱ってもらえるのです。
したがって、B型肝炎感染者は、母子感染ではないとして、予防接種が原因で感染したということになるのです。
年長のきょうだいがいる場合は、次の書類の提出や手続きを行います。
母親が亡くなっており、母親の血液検査結果が残っておらず、年長のきょうだいがいない場合でも、医学的知見を踏まえた個別判断によって、母子感染によるものではないことが認められる場合があります。
ただし、個別判断のため、以下の資料を提出することが必要です。なお、以下のほか追加で提出を求められる場合もあります。